2019-01-01から1年間の記事一覧

メディアが先導する日本語表現の破壊

10月4日から臨時国会が始まる。メディアの報道に表れる狂気じみたものに辟易するうち、時として「耐性が付いているのでは」と慄然とすることもある。直近では産経新聞の次の例が特に目を引いた。冒頭の行の錯乱した文章には、呆れるというより空恐ろしさを覚…

「視野の外にある」ということ──丸山「戦争」発言に関して

北方四島ビザなし交流訪問に参加した丸山穂高衆院議員が「戦争による島の奪回」を口にした問題では、16日までに日本維新の会が同議員を除名、主要野党が議員辞職勧告決議案を出す方向で一致した。これに対し同議員は、辞職勧告が決議されても任期を全うする…

新元号到来を前にマイルス・デイヴィスを聴くということ

1週間ほど前の午後、憂鬱な用件を一つ片付けた後でサンマルクカフェに入り、チョコクロとカフェオレを注文して、柄にもなく贅沢に時間を潰していた時のことだった。 店内には、ピアノトリオが演奏するジャズスタンダードナンバーの”Stolen Moments”(オリヴ…

歴史記録としての卒業アルバム

昨年5月に3年生の女子生徒が自殺した熊本県内の高校の卒業アルバムをめぐって、以下のようなニュースが報じられた。亡くなった生徒の顔写真を外してアルバムが作成され、遺族の反発を受けた学校側は生徒の写真を空きページにテープで貼って応急対応したと…

直接民主制についての所感(2)──国費は「不可侵の聖域」か

東京地裁が2月5日、大嘗祭に公費を支出することの是非について下記記事のような判決を下した。慰謝料についての第1回口頭弁論は記事にある通り同月25日開かれ、これについても国は争う姿勢という。 digital.asahi.com 大嘗祭に関しては、秋篠宮文仁親王…

直接民主制についての所感(1)─「国民投票法」と呼ばれる制度

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先として名護市辺野古沿岸部を埋め立てる事業の是非を問う沖縄県民投票は、24日投開票され、「埋め立て反対」が投票総数の7割超を占めた。しかし、昨年暮れから始まった辺野古沿岸部への土砂投入は2日経った今…

ゴーン氏への追加報酬計上にみる「文学」

法律は何のためにあるのか。 個人あるいは法人は生活や事業を営む上で、それぞれの国の法律や国際法には従うことを求められる。もちろん、ただ従うだけでなく、条文を理解して各人の活動に遺漏が無いようにできればベストである。それは「法律を理解していれ…

ザ・国策捜査が目指すのは自動運転時代を見据えた「日産国有化」か

日産自動車は5日、臨時取締役会で4月8日に臨時株主総会を開くことを決議した。議題は①カルロス・ゴーン氏とグレッグ・ケリー氏の取締役解任②ルノー会長のジャンドミニク・スナール氏の取締役選任──に限定するという。一方、特別背任罪などで起訴されたゴ…

地方自治の「身体性」──沖縄県民投票をめぐって

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先として名護市辺野古沖を埋め立てる計画の是非を問う県民投票が、今月24日に全県で行われることになった(14日告示)。「賛成」「反対」2択による実施に県内5市長が不参加を表明したことによる混乱は、「ど…

安倍政権時代と日産ゴーン事件

間もなく平成が終わる。勤労統計不正問題でかなり怪しくなったが、2013年以降の第二次安倍政権下で、日本経済はリーマン・ショックから立ち直りの道を歩んできたと喧伝されてきた。日経平均株価は18年中に2万4千円にタッチする山が2回あり、昨年1…